デビューから3年、1987年に発表された文庫3冊に及ぶ大長編。
美貌の母娘、藤平潤子34歳、藤平智実15歳が底なしの淫獄に沈んでいく被虐の物語で、氏の代表作の一つとなっています。
2023年現在も電子書籍で入手可能(サイトのトップ参照)ですが、困ったことにこの作品、2002年に大幅な加筆修正が行われ、入手可能なのはこの完全版のみとなっています。
加筆修正自体はファンとしても喜ばしいところでしたが、厄介なことに修正部分がかなり大きく文庫版の「凌辱女子学園」「凌辱女子学園 母娘奴隷篇」まではともかくとして三作目の「凌辱女子学園 女教師姦淫篇」での設定がほとんどなかったものとして扱われてしまっています。
なにせ表題の女教師姦淫篇にある女教師、刀根瑠璃子が存在からして抹消されてしまい、元の版では藤平家の壮絶な運命を締めくくる父親の自殺も完全版ではなかったことにされてしまいました。
2004年に完全版を下敷きに新・凌辱女子学園(全三冊)が発表されましたが、やはり刀根瑠璃子の存在はなかったことにされたままです。
新では徹底的に智実の魅力を描き出す方向でしたので、これも仕方のないことかもしれません。
凌辱女子学園の魅力はもちろん伝説の美少女藤平智実のどこまで穢されても決して諦めない気丈さあってこそですが、そこにどこまでも執着し続けた長沼という存在もまた凌辱女子学園の世界を支え続けてきました。
しかし女教師姦淫篇では長沼は刀根瑠璃子に矛先を変えてしまい、智実も瑠璃子を罠に嵌めることに協力するほど淫鬼たちに従順な奴隷へと堕ちきってしまっています。
もしこのまま凌辱女子学園を続けるのならヒロインは瑠璃子に代えるしかありませんが、瑠璃子自身は智実や潤子ほどの強靭な精神力はなく一度の凌辱で心を折られてしまっているので続けようもありません。
管理人自身は瑠璃子も魅力的に映っていましたから、藤平母娘共々淫獄に堕ちる様を描き切って欲しかったと今も思っています。
正直な感想を言ってしまうと、管理人にとっての凌辱女子学園は文庫版で終わっており、新でスーパーガールとして描かれた智実ではなく、世間知らずで鼻っ柱の強い小生意気な少女が現実を思い知らされる智実の方が愛着がありました。
凌辱人気は根強く、いわゆる「if」の物語でゲーム、アニメも発表され、そして綺羅氏自身が藤平潤子のもう一つの物語として2009年に「人妻・藤平潤子 魔辱の麗囚」を発表。
さらにやはり「if」の物語として「牝猟」「淫猟夢」「淫獄の学園」「女教師・二十三歳」「僕の妻【奪われた蜜室】猥婦--ワイフ」「美畜!」と繋がった世界観でコンテストシリーズを発表。
また人妻コンテストの設定で「美星シリーズ」全三冊が発表されました。ただしこちらは女教師二十三歳が主軸になっています。
これだけの人気を誇る凌辱女子学園の底本となった初期文庫版、いつかは電子書籍かなにかででも復刻して欲しいですね。
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