隣りの女子大生 悪魔の肉調教

表題の中編：隣りの女子大生 悪魔の肉調教を核とした中短編。
どの作品も甲乙つけがたく、それぞれが長編として成立する魅力を持っているため、この一冊自体は素晴らしいのですが逆に不完全燃焼というか勿体なさが際立ちました。
作品のテーマは寝取られ、でしょうか。今作では淫麗なる変身以外、叔母魔性の血淫や美姉妹恥辱の履歴書のように悪党と言うほどでもない普通の男がヒロインを手に入れておきながら、迂闊さからヒロインを奪われてしまうといった展開が待ち構えています。このパターンは別の意味で後味悪いですね。ただ寝取られと言ってもヒロイン自身に潜む淫蕩さが相応しい御主人様を選んだともいえる展開なので、これはこれでどれもハッピーエンドなのかなあ、と思います。
悪魔の肉調教の瑠衣子がとにかく愛らしかった。主人公はいわゆる調教師ではなく普通の男だったのに、友情の為と瑠衣子を貸し出すような愚かさが奴隷に見限られてしまう結果に。
愛の魔道はピアニストの歩美も魅力的で是非調教前の状態を読んでみたかったのですが、それと同じく知花も調教過程をこそ読みたかったですね。
ＳとＭのはざまで、も咲実が愛らしく、これについては主人公に特に瑕疵があるわけではないのですが、恋人との秘密を安易にしゃべってしまった報いとでもいうのでしょうか。
淫麗なる変身。この作品は唯一寝取られることもなく主人公が完全勝利を収めています。智美はあのままオタクの奥山に自身の性癖を開発されて幸せになって欲しいと思います。