女豹伝説

173センチ、49キロ、抜群のプロポーションを誇る24歳。神秘的な美貌とは裏腹に、格闘家の顔を持つ桂木魅也。自殺した親族の仇討ちのため警視の道を捨て、地方都市に潜入し、悪との闘いに挑む女豹の運命は?美肉の復讐、隷従の因縁、淫の血脈…謎が謎を呼ぶ、禁断と背徳に満ちたエロス&バイオレンスが火蓋を切る。
竹書房より女豹伝説 美肉の復讐として刊行されたものを改題改稿
桂木魅也かつらぎみや 元警部 24歳
大塚緋呂子おおつかひろこ 大学3年 21歳
綺羅光作品の中では珍しい権力機構側を扱ったヒロイン。分類として刑事モノと扱ったが物語時点では退職している。
ヒロインの魅也は肩書だけなら恐らく綺羅世界最強ヒロインではないでしょうか。なにせ学歴は最高学府の法大卒IQは170以上。覇南流空手、ボクシング、杖術、合気道を修める武闘派のバリバリのキャリア組でございます。
そんな彼女が知己の若者の恋人を攫ったと目星を付けた反グレ組織ワイマンに探りを入れるため、警察時代の後輩を仲間に敵対組織の交渉役として潜入を果たすのですが仲間と思っていた後輩の裏切られたとも知らず捕まり、見世物として飼われおぞましい刺青まで彫られてしまうのです。
しかし後輩の裏切りを知り、折れかけていた牙を取り戻した魅矢の反撃が始まり、裏切りモノもワイマンも壊滅させるといった最強美女に相応しい活躍が描かれました。
が。
この加筆修正版では最後の一章をまるまる追加。
そのオチはさすがにちょっと‥と言いたくなるものでIQ170以上の知性を持つはずの武闘派ヒロインがすっかりその魅力を堕としてしまったと、個人的は思います。
いやオチ自体はいいんですよ、あれでも。ただそこに至る過程として、刺青が非常に重要な意味を持ってしまうのが‥IQ170‥
このせいで作品としてもヒロインとしてもあまり褒められた出来ではなくなった印象。ただし挿絵が自分が好きな山本タカトさんでそこは大変満足しております。山本タカトさんは他に雑誌連載などでたびたび綺羅作品の挿絵をしているのですが、こうしたものも結城彩雨先生の文庫のように収録してくれていればなあと思ったりもします。

竹書房版もフランス書院版も電子化はしていません。

ちなみに初刷では章の入れ替え、いわゆる乱丁があったため回収となっていた。自分は物珍しさから版元に送らずそのまま所有したが、為完全版は所有していない。

コメント