綺羅光先生の著作は驚くことに二桁を超え、三桁にまで達しています。
しかもそのどれもが一定の水準を超えて氏の代表作となりえるものばかり。
とはいえ当然好みはあります。
今回は管理人のお気に入り作品をいくつか挙げていきたいと思います。
作品というより、お気に入りヒロインと言うべきですが。
先ずは管理人の初めての綺羅作品
女教師 恥辱の旋律
書店で人の目を気にしながら黒の背表紙に黄色の表題が書かれた特徴的なフランス書院の書棚に置かれた「女教師 恥辱の旋律」を手に取り、その中身を捲ったときの衝撃は今も忘れられません。
そして財布の中の小銭を確かめ、レジへと向かい店主と目を合わせないよう差し出した時には妙な罪悪感に心臓が早鐘を打っていた思い出。
ここから綺羅作品に傾倒し、既刊の四冊を集めてからは書店へ足を運んでは翌月の刊行案内へと目を向け、綺羅光の名前をフランス書院の刊行予定に見つけては発売を待つ日々が続いたのでした。
閑話休題。
清楚な音楽教師、香澄が教え子との過ちを脅迫材料に奴隷へと転落してゆく様を描いた恥辱の旋律。
香澄が人生を無茶苦茶にされながらも冷静に、あるいは冷酷に悪鬼たちの軋轢を見抜き見事な逆転劇を決めるのは数ある綺羅作品にも珍しい展開でした。このあとのオチがまた秀逸で作品としての完成度も素晴らしい一作です。
栄稜高校音楽教師島本香澄に執着する落ちこぼれの写真部員金森が偶然にも教え子である和也とキスをしている現場を目撃し、写真に収め脅迫を始めたことから物語は始まります。
しかし金森程度の小悪党なら香澄もなんとか平穏な日常を取り戻すことも可能だったかもしれませんが、そこに東京で問題を起こし少年院まで送られ栄稜市に流れ着いた関谷までが絡んできます。
関谷は金森の香澄への甘さを断じ、女をコマすなら先に何度何度も気をやらせ、向こうからミルクをねだらせるのだと講釈し、俺に抱かれればああいうインテリタイプの女は絶対に病みつきになるとまで断言するのですが、果たしてその言葉通り、香澄はアパートに乗り込んだ関谷に犯され、ミルクをねだってしまうのです。
直接の描写がなかったのが残念ですがだからこそ隣室で耳をそばだてる金森と同じく香澄の愛らしい姿を想像してしまうのでした。
ずっと聞こえていた香澄の嫌悪の叫びが、いつしかおさまっていた。代わりに甘ったるいような吐息、悩ましいすすり泣きがかすかに聞こえてくる。そしてなにやら卑猥な言葉をしきりに囁いている関谷の声。
香澄は緊縛されたまま関谷の膝の上に後ろ向きにまたがっていた。綺麗な黒髪は乱れに乱れ、冴え冴えとした美貌を妖しく真っ赤に上気させ、鼻にかかった声をひっきりなしに発しつづけている。
その艶美な裸身は、汗と唾液にヌラヌラと濡れ光り、知的な黒目はうつろに宙を睨んだままだ。
いきさつを知らなければ麻薬を注射されたと思いこんだろう。ふだんの清楚なイメージのかけらもなく、別人のような狂態をさらしていた。
香澄の身体が上下するたびに、パックリと口を開けた秘裂から、関谷の極太の肉棒がヌラヌラ光って顔を出す。
次第に香澄の喘ぎが高まってくる。必死に声を殺そうとするのだが、ついもれてしまうといった感じが伝わり、聞いているだけで金森はおかしな気分に陥った。
「オマ〇コ、いいんだろ?」
「いやっ、そんな‥‥」
「そうかい、ならいいんだぜ」
「あ、ああ、意地悪ゥ。ねえ関谷君」
そんなやりとりが、今でははっきりと聞きとれるようになった。香澄の女体が関谷の思うままに翻弄されているのは歴然としていた。
「へへへ、島本香澄がこんな潮吹きだったのはなァ。小便みたいに垂らしやがって」
「嘘、嘘よ。そんな」
「オマ〇コいいって言ってみろよ」
「ああ、言えない、そんなこと言えないわ」
「これでも言えないのか、え、おい香澄」
「ああっ、い、いいっ。いいわ、とっても‥‥オマ〇コいいわ」
「へへへ、そうかい、そんなにオマ〇コいいのか。まったくあきれた淫売だぜ」
淫らな会話を交わしながらも、激しく突きまくられているらしく、香澄の声はやたらとビブラートがかかっている。
襖を開けて覗いてみたかった。しかし自分の中の偶像が無残に砕かれるのが怖くて、金森はそれができない。香澄は今やなりふりかまわずよがり声を噴き上げている。思わず耳をふさぎたくなった。
「ああっ、だめっ。だめよォ!」
「イクのか? 香澄、イクと言うんだよ、おい」
ひときわ甲高い声が発された。いよいよ、その瞬間が迫っているようだ。関谷の得意げな笑いが響いている。
「イクゥ、イクゥ。ねえ‥‥イッちゃう」
金森相手に人形のようだった香澄も関谷には敵わず、この有様です(笑)
犯される前は気丈にも関谷に「馬鹿にしないで!」と頬を叩き、黒目がちの瞳に凄艶さを滲ませ怒りに燃えていたのですが。
それがあっさり潮吹きマンコを晒して言いなりにオマンコいいの! と口走ってイッてしまっているのですから、なんとも愛らしい限りです。
本人も関谷のような下劣な男に抱かれ、我を忘れるほど快感にのめりこんだ自覚はあるようで、口惜しがりつつ、今までのどの男より愛撫は巧みで肉棒も硬く逞しい。あんなふうに犯されたら、誰だって気が変になってしまうわ。と思い込もうとしていますが、身体の相性自体は最高のようで、関谷に貫かれると、連結部分に形容しがたい快感が起こり、その快楽は爪先から頭のてっぺんまでパチパチと電気のように身内を流れるそうです。
そんな香澄に関谷は、学校でも外でも徹底的に嬲って嬲り抜いて本物のマゾに仕上げちまおうとの宣言通り、校内で浣腸を施しトイレで排泄させながらのセックスまで行います。
「いいんだろ、すごいんだろ、香澄?」
「あううっ‥‥狂っちゃう。香澄、どうにかなっちゃう」
ズンズンと、容赦なく肉棒で突きまくられ、またたく間にアクメに達しちゃってました。
これがトドメとなって、香澄の繊細な女体のメカニズムが破綻をきたし、淫蕩な女になっていきます。
淫夢を見てパンティの中を湿らせ、女体の内側が熱をもち、濡らしてしまう。
性的オルガスムより、難曲をうまく弾きこなした時の歓びの方が深く、ピアノと男とどちらを選ぶと聞かれれば、迷わずピアノを選んでいたのに、今やセックス。それもおそましい変質的セックスが決定的意味をもち、人格を滅ぼし始めだしています。
嫌悪する関谷に嬲られることを心待ちにし、あの破滅ぎりぎりの倒錯したセックスに酔いしれたい、と心のどこかで望みだすのです。
いやあ可愛いですね。
そんな香澄の望み通り、関谷の要求は激しくなる一方でノーパンノーブラミニスカートでの登校に電車の中での浣腸までされて、けれど香澄はそれでも粘膜の奥がジーンと疼いちゃいます。
浣腸後の菊門をマッサージされると夢見心地の状態にさせられて、うっとりと軽く目を閉ざし頬を紅潮させて余韻に浸りながら、
─ああ、私の中に変態の血が流れているのかしら? いいえ、絶対にそんなことはないわ‥‥─
などとこの期に及んでまだこんなことを考えています。
そしてそんな香澄のぬるい考えを吹き飛ばすように、関谷はクラスのみんなの前でオナニーをさせられ、ついに香澄は関谷の奴隷なのだという自覚が芽生えるのでした。
日増しに強まる関谷の悪魔性は香澄の理性を麻痺させ、悪魔たちの変態セックスの麻薬的な毒に蝕まれ、彼らの望む真性のマゾ、本物の露出狂に変わり出していることへの恐怖。
その恐怖に香澄は全てを捨て逃げ出そうとするのですが、そこに和也からの電話が鳴り、逃げ出してしまえば和也を人質に取られていたことを絶望的に悟ってしまう下りが、また秀逸でした。
そんな誰よりも大切な和也に自分の秘密を暴露されてしまったことで、ついに香澄は覚悟を決めます。
元より香澄の扱いで不満のあった金森を唆し、関谷を襲わせ共倒れを狙う計画を建てるのでした。計画は見事に成功し、大怪我をした二人は退院後少年院へと送り込まれることになり、香澄はついに悪魔たちから逃れられたと涙を流します。
ハッピーエンドです。よかったよかった。
と、喜びも束の間、かつて関谷たちに美人局をさせられた同僚教師堂本が新たな暴虐の主となって君臨してしまうのでした。
めでたしめでたし。
と、香澄の二転三転する運命の物語です。
ピアノに情熱を捧げ、もしかすると教え子の和也と秘めやかな愛を重ねて、いずれは幸せな結婚をしていたかもしれません。
が、香澄の持つマゾ性を満たすのはやはり男の甲斐性というもので、こうして金森に脅迫の材料を与えてくれた和也は正しく香澄の運命の人だったのでしょう。
惜しむらくは関谷がもう少し度量のある男なら、金森をうまく飼い慣らし、香澄に隙を与えず真性のマゾに育て上げることが出来たのですが。
堂本如き小物ならもしかしたら香澄は逃げ切れるかもしれません。
その時は少年院から出所した関谷が待ち構えているでしょう。
真性のマゾに今度こそ変えられるだろう香澄のその後の物語をいつか読んでみたいものです。
コメント
自分もこの作品が綺羅先生初作品です。
まだ学生の自分が吸い寄せられるように黒に黄文字の背表紙に惹きつけられ、手に取って読んだ時の衝撃は今でも忘れられません。
女性に口でさせるとか肛門で繋がるという概念そのものが無い世代だったので脳に衝撃を受けました。
表紙のイラストも卑猥で今のようなAIイラストと違って興奮を煽られます。
この作品によってそれから長い年月先生の本をいまだに手に取っています。
一人の作者をここまで追いかけるのは書籍は元より他の媒体にもいません。
ちなみにお気に入りは美畜と暴虐学園です。
暴虐の深雪の続編が読みたいものです。
駄文失礼いたしました。
恥辱の旋律いいですよねえ
手に取った時期は自分は中学生だったのでこの頃に読んでいた団鬼六先生の花と蛇含めて言葉の意味は分からんが、とにかくすごい表現だ! みたいに読んでいました。
表紙絵もその頃のロリコン漫画と一線を画す猥雑さも興奮の度合いを上げていました。
自分は作家買いをするのでアホみたいに書籍が増えてしまうのですが、それでも綺羅先生のそれは本棚の棚の二つくらいが黒い背表紙に黄色という異質な文庫に綺羅光の名前がずらっと並ぶのは壮観だなーと眺めていました。
父親の書棚に美人課長・二十八歳が並んでいたのを見た時は乾いた笑いが出たものです。
まあ小学生の頃に学習机の隙間に隠していてはずの花と蛇を今で親父が読んでいた時には血の気が引きましたが‥
美蓄いいですよねえ。
暴虐学園は深雪はよかったんですが、高がちと格落ちだったのが残念と言えば残念でした。